16LIFE☆~それぞれの恋~
「こちらでお待ちください」
スタッフに指示されたステージ裏の椅子に座って、出番を待つ。
あと15分くらいであたしの番らしい。
ちょっと、心臓がドキドキしてきた。
・・・もちろん、間宮さんといるときのドキドキとは違うけど。
速まる心臓を手で抑え、深呼吸を何度か繰り返していると。
「もぉ~、間宮社長ったら!」
ウフフ、と笑う三上さんの声が、後ろから聞こえた。
“間宮社長”
その言葉に反応して、あたしは後ろを振り向く。
「・・・・・・っ」
それは・・・あたしが、絶対に見たくない光景だった。
間宮さんと三上さんが、楽しげに話をしている。
三上さんは、豊満な胸を押し付けるようにして間宮さんに腕を絡めていて。
あたしは見ていられなくなって、すぐに俯いた。
なんで・・・?
さっき、三上さんは・・・
『あたしがどれだけ話しかけても完全無視なんだもの』って言ってたじゃない。
それなのに・・・どうして・・・楽しげに話をしてるの・・・?
心の中が、モヤモヤで渦巻く。