16LIFE☆~それぞれの恋~


「こちらでお待ちください」



スタッフに指示されたステージ裏の椅子に座って、出番を待つ。



あと15分くらいであたしの番らしい。



ちょっと、心臓がドキドキしてきた。



・・・もちろん、間宮さんといるときのドキドキとは違うけど。



速まる心臓を手で抑え、深呼吸を何度か繰り返していると。




「もぉ~、間宮社長ったら!」



ウフフ、と笑う三上さんの声が、後ろから聞こえた。



“間宮社長”



その言葉に反応して、あたしは後ろを振り向く。



「・・・・・・っ」



それは・・・あたしが、絶対に見たくない光景だった。








間宮さんと三上さんが、楽しげに話をしている。



三上さんは、豊満な胸を押し付けるようにして間宮さんに腕を絡めていて。



あたしは見ていられなくなって、すぐに俯いた。






なんで・・・?



さっき、三上さんは・・・



『あたしがどれだけ話しかけても完全無視なんだもの』って言ってたじゃない。



それなのに・・・どうして・・・楽しげに話をしてるの・・・?



心の中が、モヤモヤで渦巻く。




< 75 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop