16LIFE☆~それぞれの恋~
キッチンからそう声を掛けると、
亜耶は「はーい!」と元気いっぱいにリビングを出て行った。
・・・よし、できた。
型をとって、オーブンに入れる。
早く出来上がるように高温に設定したから、
すぐにいい匂いがリビングを漂い始めた。
「これ、すごくいい香り・・・」
ソファに座って、栗色で艶々な長い髪をかき分け、
優雅に紅茶を飲んでいる美緒。
お嬢様みたいな立ち振る舞い・・・
“クールビューティー”っていう言葉が似合いそう。
「その紅茶、私のお気に入りなの。
レディグレイっていうんだけど・・・知ってる?」
柑橘系の香織がして、飲むとすっきりした気分になれるんだよね。
「・・・名前だけなら、聞いたことあるわ。
確か・・・96年に生まれた新しいものよね?」
も、物知り・・・