16LIFE☆~それぞれの恋~
「幸せになりなさいよね」
そう言って、くるりと踵を返して出口に向かって歩いて行く。
「三上さん・・・っ待って・・・!」
あたしは急いで立ち上がると、
亜耶に「ごめん、すぐ戻るから」と伝えて
カフェを出て行った三上さんを追った。
「はぁ、はぁ・・・っ」
いきなり走ったせいで、息切れはしてるし髪も制服もぐちゃぐちゃだけれど。
・・・どうしても、三上さんに言いたいことがあった。
「・・・っ、み、三上さん・・・!」
いつもキマっている綺麗な髪型。
派手なファッション。
その後ろ姿を見つけた。
あたしの声に反応して、彼女――三上さんはゆっくり振り返る。
「・・・っ!」
あたしは、息を飲んでしまった。
――――彼女の瞳には・・・
大きな雫が、溜まっていたから。