God Bless you ~君に神の祝福を…~



「それってさ、“マリッジブルー”って言うのよねェ。」



親友、原口 紀(はらぐち のり)が言った。



「“マリッジブルー”?」


「そ。結婚が決まった途端に“もっと良い人が居るんじゃ・・・”とか、“本当に良いのかな?”なんて不安になる事。アタシに言わせりゃ、贅沢な悩みよ。」



彼氏イナイ歴1年半の、のり。



「でもさぁ、私にとっては重大だよ?もし、好きじゃないのに結婚しちゃったら・・・一樹だって嫌に決まってるよ!」



“はぁ”と溜め息を吐いて、オレンジジュースを一口飲む。


私だけの問題じゃないから悩んでるんだよ。



「じゃあ聞くけど、何であんたは、7年間も一樹と付き合っているのよ。」



のりが、ストローの先でアイスコーヒーの氷をクルリと回しながら聞いてきた。



「それは・・・。嫌いじゃないし・・・。何て言うか・・・。」


「っあーーーっ。もうっ!あんた、ウザイ!!!」



のりはそう言うと、テーブルに置きっぱなしにしていたケイタイを取り上げ、誰かに電話をしだした。



「あ、私、のりだよ。今、七瀬の部屋に居るんだけど、来れない?・・・うん。分かった。じゃあ、待ってるよ。」





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