Genius 2nd ~葦原~
「E組だって。」

「あの子が?何したの?」

「さぁ?でもさ、E組ってことは…」


辺りから聞こえるヒソヒソ声

自分を見る目もさっきの言葉を境に変わった






「香穂、何してんの?」

後ろから声がした。

そこに立っていたのはC組のリーダー的存在の三条


「三条さん…」


「日中さん、あんたはもうC組じゃない。E組だよ。
さっさとあの教室に行きな。
…あと、あたし等に近づくんじゃないよ。」

弥那に向けられる鋭い視線

三条は香穂の腕を引き、引きずるようにして彼女を連れて行く。

「三条さん、待って!!」

掲示板前に集まった人の群れを抜け出し、弥那は足早に行く三条の肩に手をかけた。

「触らないで。」

弥那の手を払う。

「あんたが何をしたかは知らない。でもE組だって事は変わらない。
私たちに近づかないで。」

再度弥那に鋭い視線を浴びせ、三条は北校舎へ入っていく。



弥那は呆然とその後ろ姿を見送った。




< 12 / 60 >

この作品をシェア

pagetop