Genius 2nd ~葦原~
「ねぇ、ユイ…」


話しかけようとした弥那の言葉を遮るように、パタンと読んでいた本を閉じユイは席を立った。


「どうしたの?」

「新しい教科書、取りに行く時間なの。」

「へぇ…。でも、もうそろそろ始業式じゃ…」

「E組は出席しないらしいよ。…講堂に入っても、イヤな顔されるだけだろうしね。
それに、教科書の受け取り場所混むから早めにって、先生に頼まれてたの。
日中さんも来てくれる?」

弥那の問いにサラリと答え、笑顔を向けるユイ

弥那はうん、と頷くと先を歩くユイについて教室を出て行った。







「さて、準備してやろうか。アイツ等の歓迎会♪」


静かに閉まった扉を見て、一人の少年がニヤリと笑みを浮かべたコトを知らずに………




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