Genius 2nd ~葦原~
「…重い…」
数十分後、弥那とユイは両手に教科書の束を抱え、休みつつも4階の教室前までたどり着いていた。
「日中さんがいてくれて助かったよ。ありがと。」
扉を開けるため片手の束を下ろし、ユイはドアノブを回した
ガチャッ
しかし扉は開かず、静かな廊下にその音が響いた
ガチャン ガチャン
何度回しても開かないモノは開かない
「鍵か…」
ユイはそれだけ呟いて溜め息をついた
「鍵って…どうして…」
「さぁね…知らない。
でも、開けて貰えるまで入れないってコトは確かだよね。」
動じることもなく持っていた教科書の束を置き、腕を組むユイ
― …ユイって…冷静だなぁ…
そう思いながら弥那はユイの隣に座り込んだ。