Genius 2nd ~葦原~
「オイ、何とか言えよ!」


何も返さないユイに業を煮やしたもう一人の少年が怒鳴る。


すると彼女は一度彼らを見て、目を逸らすと呟いた。




「…古い。ガキっぽい…」

「何ィ!?」

ユイの言葉に反応したのは先ほどの怒鳴った少年。

「別に。ただ思ったこと言っただけ。
それに、『言え』って言ったのそっちでしょ?」


次第に顔を赤くしていく少年を逆に冷ややかな視線を向けなおし、ユイは淡々と続ける。


「本当のコト言って何が悪いの?
締め出しとか、椅子に接着剤なんて今の小学生でもやらないよ。」


「コイツ!!」


ブチッと何かが切れる音がすると共に少年は彼女の胸倉を掴んだ。


「水樹、止めろ。」


教卓に残った少年が彼を止めようとしたが、その声は全く届いていない。

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