Genius 2nd ~葦原~
「あんたって、意外と熱しやすいんだ。」


無理やり立たされ、少しだけ背の高い水樹を見上げた形になったユイは、それでも表情を変える様子はない。


「あと…力で私を抑えようなんて…甘いよ!」


そう言ってユイは水樹を突き飛ばした。


思わぬ反撃を食らった彼はよろめきながら後退し、彼女を思い切り睨みつける。


他の生徒達はというと、意外な成り行きを遠巻きに見ていた。


「水樹、もう止めとけ。アノ事なら直接訊けばいい。それに…」


「うるせー、透。売られたケンカ買うくらいいいだろ!!」


透にそう返すと水樹は何かに気を集中させるために目を閉じる。


そして、片腕を挙げるとそこに大きな水の塊を出現させた。

― 術<クラフト>!!?


二人の様子を呆然と見ていた弥那は水樹の行動に驚いていた。



目を開いた水樹はニヤリと笑みを浮かべ、思い切りユイと弥那へと投げつけた。





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