Genius 2nd ~葦原~
炎の壁は消え、壁の向こうの驚いた水樹達の姿があった。


「水樹、お返しだ。」


そんな彼を見て來奈は人差し指を立てると、水樹の頭上を差して小さな水の塊を出現させた。


「へっ!?」


水樹がそれを見上げると同時にサッと指を動かす。

「うわぁ!」


そう音がして頭から水を被りずぶ濡れになった。


「水樹、気ィ済んだ?」


二人のやり取りを見ていた透が口を開いた。


水樹はブスッとしながらも軽く頷く。




「で、お前は何者だよ。技みたいなの使ってる奴初めて見た。」


來奈の水攻撃で頭が冷えた水樹は、改めて彼女と向き合い尋ねる。


彼女は表情を特に変えることなくこちらを見ている。

そして彼の問いに答える代わりに腕を組み鼻で笑った。

「お前って、昔から変わってないな。あの頃のままだ。」

「は!?あの頃って何時?」

「お前アイツの事覚えてないのか?他のヤツらはみんな覚えてたよ。」


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