Genius 2nd ~葦原~
訳が分からないという顔をしている水樹の後ろから透が声をかける。

「まったく、記憶力なさすぎだよ。」

「そんなん関係ないだろ!!」

呆れたように言う透の横の少女に向かって言葉を返す。


「アイツは風火來奈(カザヒライナ)。小五の時に転校してきて、またすぐに学校変わってった奴だよ。」

「…風火って、あの風火!?」


ハァと溜め息をついた來奈は、やっと思い出したかといいたげだ。


「確か…声かけても何も言わなくて、でお前が肩掴んだら一本背負いされてた…」

「それは言わんでいい…」


濡れた水樹の頭を軽く叩き透は來奈の前に立った。




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