Genius 2nd ~葦原~
幾度もそれを繰り返す。

すると微かに瞼が動き、ゆっくりと開かれた。

紅い瞳が青年を捉える。


「…護…か…?」


かすれた声が発せられ、青年は笑って大きく頷いた。


「良かった…見つかって…」


安堵の表情を浮かべる護


「…捜してたのかよ…」


「当たり前だよ。
僕だけじゃない。氷も祐も隼人も…弥那ちゃんも…
君が消えた後もずっと生きてるって信じて捜してたんだよ。」


「…そっか……っ……」


來奈はそう答え、体を起こそうと腕に力を込めるが思うように動かない。


それでもなんとか起き上がり洞の壁に背を預けた。

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