Genius 2nd ~葦原~
洞を抜け出し樹の幹につかまり、歩みを進める。



そして街が見えた。







転々とある崩れた家屋が目に入った。





― …何故……?
…哀哭溜は消えたはず
一体どうなって……





別の場所では、蒼い力が異質な気配を放つモノと対峙している。

黒く楕円形の物体は、太く丸みを帯びた脚で歩き回り身体から生えた複数の触手で蒼い光を捕らえようと四方に伸ばしていた。

それが動く度に足元の家屋は瓦礫と化していた。

蒼い光の中心のヒトは向けられる触手を剣で切り裂いていく。

時折浴びせる“術<クラフト>”は絶えることのない触手によって阻まれ本体には傷一つつかない。



苦戦しているようだ。


横に立つ護は被害拡大を防ぐために張った巨大な結界維持の為に動けそうもない。


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