Genius 2nd ~葦原~
「本当に…?」

來奈は尋ねた。


勿論、組織の中枢にいた彼女自身、組織が無くなったかどうか分からない筈も無い。


しかし哀哭溜はしぶとい


あの最後の一撃でどうなったか分からない


しかし




「本当だ。」

少年が素早く答える。

その答えを貰わないと、僅かではあるが不安が浮かんでくる。

誰かの言葉を欲する程、いつの間に…弱気になったのだろう




「大丈夫、自分の力を信じて。」

優しく置かれた頭の上の手

自分より年上の少し大きな手

昔は嫌だった撫でられること

今は…別に嫌がることではなくなった



グレーの瞳の青年も隣の少年も柔らかな笑みを浮かべる





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