Genius 2nd ~葦原~
「奴…ら…?」

「…」


祐は來奈の問いに答えず、開きっぱなしの障子を閉めまた元のように座り直した。


「おい、祐…」

「俺たちの…新たな……敵だよ。」

一息ついて重そうに彼は口を開いた。

「敵って」

思わず身を乗り出す來奈

「お前もこの前見ただろう?
異質な黒い物体を。」

「あぁ、奴らは何者だ?」

「奴らの名称は‘バルガード’」


バアンッ

何かが弾ける音が遠くで響き、数秒後白い障子を震わせた。



祐はお構いなしに話を続ける。



「哀哭溜抹殺の際、起きたトンネル爆破後に東の洞窟に納められていた箱‘不開の箱’パンドラがの封印が破られた…」


このウルトの創造したある陰陽師が退治した悪霊や人間に害を成す妖怪達

それらを封じた宝珠と


それらを封印した巨大な箱


今では、ギリシャ神話に登場する壷の名をとり、「パンドラ」と呼ばれる事も暫し



何となく聞き覚えがある

朱雀の記憶の中で



「宝珠達は弾け飛び、5つの街、蒼空へと舞い散った。」

「飛び散った宝珠が他の何かに取り憑いたモノ達…
負の感情を源に更なる力を求め動き続ける…破壊を続ける…亡者…
それがバルガード…
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