Genius 2nd ~葦原~
「そんなコトって…」

「ま、機密事項で一部の術人しか知らねぇから信じられないだろうが、コレは事実。
それを証拠に、さっき水樹が術使ってたろ?まだまだ、未熟だが。」

「確かに。」

先ほどの光景を思い出す。

まだ学生の弥那にも分かった。

荒削りで不安定ではあったが、あれは“術”そのもの

「でも待って。それなら、どうして今まで何も気付けなかったの?
…もしかして私…」

口ごもり俯いた弥那

自分の“術”が未だに不明であるが故に、こういった話には敏感だ。

「バカ、あれで判るほうがおかしい。」

「え?」

「アイツ等は自分が術人だとは知らないし、制御法も使い方も教えて貰える奴もいない。
だから昔、オレ等が一時的な封印術を施した。」

気にするなと言うように見上げてくる弥那の頭にポンと手を置く。

「それが、そろそろ解ける頃だ。その前に奴らに選ばせないと。」

「何を?」

「術人として生きるか、このまま普通の人間として生きるか。」


「術人か普通の人間…?」

意味が分からず、首を傾げる。

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