Genius 2nd ~葦原~
「そうだ。昔オレが葦原に居た頃、アイツ等にかけた封印は極簡単なモノだった。」

それだけで抑えが効く程度の力しか持ち得てなかった

だが、時間の経過と成長により内側からの圧力で封印は解けかけている。

水樹が術を扱えるようになってきたのもその為である。

しかし彼らの術は不完全であるが故、一歩間違えれば本人だけでなく周りの人間の命を脅かし兼ねない。

完全に封印が解けきるまでに、せねばならないこと

それが“術人”として生きるため制御法を身に付けるべく、修行に励むか

あるいは“人間”として生きるため全ての霊力を封じる強力な封印術を施すか


2つに1つ



決断の刻限はあと少し


「オレ等が封印術を施したのは10名。とりあえずで、アイツ等をE組として集め術の補強を計って貰っていた筈だが…」

來奈はそこまで言って、大きなため息を吐いた。

「あと3人足り無ぇ。」

「え…たりないの?でまだ他に居るの?」

「あぁ。確かにあの時には10人居た。ただあの頃の記憶は曖昧でな…残りの1人は分かるんだが。」

「そう…なんだ…」

そう呟いた弥那の脳裏にある人物の顔が浮かび、消えていった。


< 50 / 60 >

この作品をシェア

pagetop