Genius 2nd ~葦原~
右耳に付けられていたピアスの一つを外す來奈

「なぁに?ソレ。」

手の中にある赤紫のピアスを覗き込む。

「超小型"心<サバナ>"使用可能機能内蔵無線機。また護の試作品だ。ヤツが試作品だとか言って渡すモンは殆ど不良品だっつうの。」

無線機が壊れてしまうのではないか、というぐらい手で握りしめた。

「ま…まぁ、來奈。落ち着こ?」

「あぁ、悪ィ。」

重いため息を吐いてピアスは制服のポケットに放り込んだ。

「それから、済まないが先に教室に戻っててくれ。早速呼び出しだ。」

「じゃあ、私も…」

「いや、今回はオレだけらしい。」

「…分かった。じゃあ、先に戻ってるね。」

がっかりした顔をした後、弥那はひとり屋上を降りていった。

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