Genius 2nd ~葦原~
理事長室の中は豪華だ

床は質の良い絨毯が敷かれ

窓の近くに置かれ木製の大きな机と革張りの肘掛け椅子

部屋の右側には接客用のソファーとガラスの机

側の壁にはエレベーターの扉があり、来客があった場合のみ使用しているらしい。

そして、給湯室もある様で部屋の端に控えめに扉が置かれている。

対する部屋の左側には書類の詰まった本棚が並べてあるのみ。




ドアを閉め、まず一礼

「風火來奈、参りました。」

「やぁ、君が…。
私が中等部理事長の妹尾(セオ)
初めましてと言った方がいいか?」


光が差し込む窓を背に男が振り向いた。

見た目40代前半


記憶の中の残像

自分を写すオレンジ色の瞳と、悪戯な笑み

ジワリと蘇る朱雀の記憶に残っている面影と重なった。


「その必要は無いぜ。啓斗。」

「だろうな。」


苦笑する啓斗

彼とは以前、朱雀として共に闘った戦友だ。

「久しぶりです。貴女はちっとも、変わってませんね。」

「そういうお前は…老けたな。」

「当たり前です。最後に会ったの何時だと思ってるのですか?」

「…30年」

「よく覚えておいでで。」

彼は笑っていた。



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