二人で紡ぐ
定時に仕事が終わり、
会社を出ようとしたときだった
「ねー岡本さーん。今日この後ごはん行きませんー?」
後輩の神崎が話しかけてきた
俺は、少しこいつが苦手である
「ごめん、今日はちょっと」
「えーいっつもそう。連れないなあー
いいじゃないですかあ、今日くらい」
その時だった
「ゆうちゃん・・・」
「由理奈」
「あ、由理奈ちゃん」
「神崎、なんでお前由理奈のこと・・・」
「えー秘密ですよう。秘密を知りたいんですかあー?
なら今日ご飯・・・」
その時だった
由理奈のすさまじい叫び声が聞こえたのは
「やめてっっっっ!!!!!!!」
「由理奈ちゃんて、ほんと単純~」
コツ、コツ、と
神崎のピンヒールの音が響き
由理奈に近づいた
そして、由理奈に耳打ちをした
由理奈は見たことのないくらい
怯えた顔をして
・・・見たことのない?
「・・・ゆうちゃん、あたし帰る」
「おい、由理奈・・・っ」
「ふふふ、それじゃ、岡本さんお疲れ様です」