レベッカ
「もう“先生”はやめてくれよ」
「あ、すいません、つい。あの……ありがとうございます」
「怪我の具合はどうだ? もう出歩いて平気なのか」
エドがそう言うと、アレンははにかむように小さく笑った。
「順調です。早く治して復帰しないと」
「無理はしすぎるなよ。ちゃんと丁寧に治さないと」
「はいっ、ありがとうございます」
エドからの心配がよほど嬉しいのか、素直に頷く。
その目は常にエドの視線と真っ直ぐに交わっていて、敬愛に満ち溢れている。
アレンの笑顔を、ロイは遠くから、ただ見ていた。
(……俺、あいつの笑顔、何年見てないかな)