レベッカ
レベッカはどう思うだろうか。
無意識にそう考えている自分に気付くことが、アレンにはよくあった。
マシンガンの能力をこんなふうに使っている自分を、どう思うだろうか。
怪我ばかりしている自分を、どう思うだろうか。
昔よくレベッカに注意されたのに、がさつな言葉遣いが抜けない自分を。
レベッカがいなくなってぽっかりと空いた穴に、慣れはじめている自分たちを。
ロイを、こんなふうに――まるで、意識してしまっているみたいな、自分を。
そんな考えが頭を過ってしまったあとは、決まって自己嫌悪に苛まれる。
彼女をまるでダシにして自問している自分が、狡い気がして仕方がない。
そのうち、何を諦めるにも、何を拒むにも、何を正当化するにも、レベッカのせいにしてしまいそうな気がして。
「……最低だよ、お前」
声に出してみると、頭がぴりりと冷えていく気がした。
昔からこんなに優柔不断だったっけ、と考えるが、どれを思い出しても、必ず隣にはロイとレベッカがいて、嫌になった。