レベッカ
「そんなことしたら……何か企んでますって、言ってるようなものだろ」
「もしかしたら、僕らが思うより、情勢は動いているのかもしれません。エドさんに倣って、僕らも積極的には関知せずにいましたが」
「それが仇になっちゃったってこと? でも、何ができるって」
ナイジェルが、表情を曇らせる。
エド派マルク派という派閥の存在は認識していても、半ば中立派の立場を取っている彼らは、特に危機感を持たずにいた。
どんな組織だって、完全に一致団結するなんてことは難しいものだ。
しかしそれにしたって、MYで仲間同士の抗争なんて起きるはずがない。
派閥争いといっても、せいぜいが“どちらをより慕っているか”程度のものだろうと、そう考えていた。
それがここへきて急に、はっきりとした内部分裂の可能性が浮上したのだ。