レベッカ
「とりあえず俺たちはパウルの隊がどこへ向かったのか調べて追う。アレンはここで、」
「あたしも行く」
被せるように言ったアレンに、キュウが声を上げる。
「なに言ってるんですか!? アレン、歩くのもやっとでしょう!」
「問題ない」
「アレン、無茶だって! 俺たちでなんとかするから!」
「任せておけるかよ!」
ナイジェルに向かって噛み付くように言ってしまってから、アレンはさっと顔を青くした。
その一言がどういう意味を持っていたか、口にしてしまってから気付いたのだ。
こんな、まるで、ニラたちを信頼していないような言葉。
「……悪い、」
「いや。大丈夫だ」
ニラの簡潔な言葉に、アレンの肩がぴくりと揺れる。
入隊してからずっと一緒にやってきた仲間に、例え本気で思っていないと分かりきっていても言っていい台詞では、決してなかった。
怒らせた。傷付けた。挙げ句、気まで遣わせた。
俯くアレンに、キュウは言う。