レベッカ
そんな二人が言い争っているのは、今朝の出動のことだった。
強盗と強姦の容疑で追っていた犯人が、逃亡の際に人質を取り、怪我をさせた。
調べでは余罪も数えきれなかったため、有無を言わさずアレンの右腕が火を噴いた。
だが、それが袋小路でのことだったのが災いした。
彼らが制裁を終え、人質になっていた女性を病院へ連れて行ったあと、突き当たりの壁が崩れてしまったのだ。
犯人との乱闘の際の器物破損は、当然組織が負担する。
数字に強く、実働部隊として働きながら経理関係にも関わっているロイとしては、それがどうしても目につくのだろう。
そしてその原因の大半が、相棒であるアレンだというのだから、こうなってしまうのも当然といえる。