レベッカ



扉に近かった数人が、腰を落とす。
銃器のアーミーだとロイが記憶している隊員も、全員ナイフを構えていた。

ハリーたちにとっても強力な武器を封じるほど、アレンのマシンガンを脅威だと思っているのだろう。
逆にいえば彼らは、マシンガンさえ封じてしまえば、アレンなんて恐ろしくもなんともないと思っているのだ。

ロイとアレンの目が合った。
四人がそちらに向かい、アレンを取り囲む。

次の瞬間、アレンが消えた。


「な……っ!?」
「ぐふッッ!」


慌てて辺りを見回した隊員の後ろで、一人が顎から吹き飛ばされる。

やっと黒髪を視界の端に捕らえたその男は、背後から鞭のように飛んできた脚に、脳を揺らされ倒れ伏した。





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