レベッカ
他でもない、エド派の隊員が、焦りを見せはじめたのだ。
エドはこの派閥問題については、表立っては知らぬ存ぜぬで通している。
エド派の隊員も大半が同じように、一見してみれば中立派ともとれる行動を取っていた。
だが、最大の戦力であるアレンが抜けたと噂が流れたことで、今まで悠長にしていたエド派の隊員たちの意識が変わったのだ。
いつか訪れるかもしれない内部分裂、その有事の時に備えて、戦力の獲得に動き出したのである。
ロイが完全にエド派についたせいで、これまでは中立に近かったニラたち同期の三人にも、はっきりと声がかかったらしい。
今までもどちらかといえばエド寄りだったのだが、これを機にアレンとは決別するつもりなのだろうか。
どちらにせよ、双頭だったアレンとロイが決定的に仲を違えてしまったのだから、チームプレーが特色だった彼らの隊は、もう以前ほどの戦力にはならないだろうと見られている。
そして、エド派が焦りを見せた影響からか、呼応するようにマルク派も、水面下で一層の戦力拡大に動き出していた。
このままでは、MY内部が完全に二分される日も、そう遠くないだろう。