レベッカ
脇腹に一発、二の腕に一発、腿に二発。
いつもならあえて壊す関節を、避けた。
銃器のアーミーが、指や体のどこかから発砲する場合、弾の大きさは、銃口代わりになる先端部分に応じて変わる。
指を使うにしても、二本や三本ならばそれなりの大きさになるというわけだ。
つまり、アレンの細い人差し指一本からでは、大した大きさの銃弾は撃てない。
小さな弾をくらった男は、そのままぐらりと後ろに倒れ、大きく波柱を立てて、海へと落ちた。
ニラが、すぐさま続けて飛び込む。
ナイジェルとキュウは、心配そうにアレンの後ろ姿を見ていた。
「どうしたの、アレン……病み上がりだから?」
「もしかして……まだ本調子じゃないんじゃ」
その声は、耳には届いている。
だが、アレンはなにも言わずに、海から引き上げられた男を見ていた。