レベッカ



「エドさん……ですか?」
「ピースフォース幹部の座だよ。エドを陥れる手はもう用意してある。邪魔者ももうすぐ消えるよ。君はただ、いつものように任務を全うすればいいだけだ」
「えっ……と……ちょっと、待ってください」


アレンはさすがに、顔を離して、マルクに向き直った。
マルクの目に、冗談を言っているような雰囲気は見られない。

だからこそ、アレンは眉を寄せた。


「どういうこと……ですか? 邪魔者って?」


マルクが、またあの、嫌な笑みを浮かべた。

アレンの積極的でない態度に不信感を抱いたのかと、一瞬背筋が冷えたが、どうやらそうではなかったらしい。


「そこですぐに何をすればいいのか聞くような人間だったら、私は君を信用しなかったよ」
「……あの、」
「一つ教えてやろう。エドはな、この騒ぎに乗じて、裏切り者の君を消そうとしているよ。――ロイを使ってな」





< 194 / 226 >

この作品をシェア

pagetop