レベッカ
「エドさん……ですか?」
「ピースフォース幹部の座だよ。エドを陥れる手はもう用意してある。邪魔者ももうすぐ消えるよ。君はただ、いつものように任務を全うすればいいだけだ」
「えっ……と……ちょっと、待ってください」
アレンはさすがに、顔を離して、マルクに向き直った。
マルクの目に、冗談を言っているような雰囲気は見られない。
だからこそ、アレンは眉を寄せた。
「どういうこと……ですか? 邪魔者って?」
マルクが、またあの、嫌な笑みを浮かべた。
アレンの積極的でない態度に不信感を抱いたのかと、一瞬背筋が冷えたが、どうやらそうではなかったらしい。
「そこですぐに何をすればいいのか聞くような人間だったら、私は君を信用しなかったよ」
「……あの、」
「一つ教えてやろう。エドはな、この騒ぎに乗じて、裏切り者の君を消そうとしているよ。――ロイを使ってな」