レベッカ
マルクの葬儀は、行われなかった。
見せしめ主義のMYらしい。
事情を詳しく知らない者もいたが、その処置が、マルクの行いを全隊員に表している。
マルクの一派の構成員たちは、ナイジェルの情報提供によって、全員がMYを解雇された。
おかげでロイの拉致事件の時と合わせて、MYの隊員もずいぶん数が減ってしまった。
だが、もう一度入隊を志願してきた隊員も大勢いるらしい。
ハリーたちの行方は、結局掴めずじまいだ。
出国は記録されていないが、町中どこを探しても、姿は見つからない。
ナイジェルは、マルク派についた理由を未だに明かしてはいない。
だがエドの話では、家族を盾に脅迫紛いのことをされていた可能性が濃厚らしい。
ロイか拉致された時のハリーの態度や、再入隊の隊員たちのことを考えても、マルクの戦力の集め方は、相当悪どいものだったと思われる。
ニラは、ナイジェルがなにか隠していることに、気付いていたらしい。
それがマルクに関連したことだというのは知っていたのかと尋ねたら、一度頷いたが、あとはなにも言わなかった。
ナイジェルの処分はまだ決まっていないが、エドに一任されるということで、事態は一応の終結へと向かっていた。