レベッカ
言われた通りに扉を閉めて、おずおずと近寄る。
左の上腕に、包帯が巻かれていた。
新しいものに取り変えたばかりなのだろうか、目映いほどの白に、消毒薬の匂いが鼻につく。
右の首筋や肩にも、小さな切り傷がいくつかあった。
少し日に焼けた肌の、少し筋肉質な肩は、古いもの新しいもの、大小の傷痕でいっぱいだ。
手を伸ばして、そっと触れる。
アレンは、服を着もせずに、ロイが逐一傷を目で確認するのを、眺めていた。
肩から首、二の腕を触って、ロイの視線は脇腹に移る。
細い腰に巻かれた包帯。
右脇の背中側だけが、ガーゼで少し膨らんでいる。
これだけ厚いガーゼを当てているということは、まだ出血すら完全には止まっていないということだろうか。