レベッカ



ロイは溜め息を吐き、一度ちらりとレベッカを見てから、ゆっくりと近付いてくる旅人に言った。


「……殺すなら、俺を先に」
「そんなことは俺が決める」
「頼むよ」


旅人は一瞬考えてから、「いいよ」と一言。
ロイは、アレンの体を、自分の横に寝かせる。
右手を伸ばして、短い髪と頬に触れた。

そして旅人の方を見ると、彼は、何の躊躇いもなく、巨大なナイフを振り上げる。
ロイは、目を瞑らずに、それを見ていた。

その、時だった。



――「ピースフォースだ!!」



窓から、目が眩むような光が入って来た。
突然のことに、ナイフが取り落とされる。





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