レベッカ
その事件をきっかけに、二人はしばらくの間、顔を合わすこともなくなった。
それまでは、毎日一緒にいたのに。
一緒に悪戯をしてエドに叱られることも、店の食べ物をくすねて商店街で追いかけっこを繰り広げることも、屋根に上がって飽きることなくただ話すことも、全くなくなった。
今まで、ずっと三人だったのだ。
一点を失ったやじろべえみたいに、バランスが取れなくなったようだった。
どこを支えにすれば、また立っていられるようになるのか、わからない。
一人で生きていくためなら、無茶もできた。
今まで避けていた危ない橋も、傍らに守る存在がなければこんなにも簡単にこなせるものなのだと、知る。