レベッカ
「……ロイ?」
懐かしい声を聞いた気がして、ロイが顔を上げたのは、一人になって半年が過ぎた頃だった。
いや、気のせいではないとわかっていた。
アレンとレベッカの声だけは、絶対に聞き間違えないという自負がある。
八番街のあの公園だった。
最後の登校日を残して、結局集まることのなかった、東屋の学校。
「……アレン、腕」
半年前、事件の頃より細くなった二の腕に、雑に包帯が巻かれていた。
それを見て顔をしかめたロイを、アレンが訝しげに見る。
それが、「お前にはもう関係ないのに」と言っているようで、ロイは口をつぐむ。