レベッカ




銃や素手ならば、先走った隊員を特定するのも容易かったかもしれない。

アレンだって実戦だけが能ではない。
自分の隊にいる者たちの能力は、全員分きちんと把握している。

だが、故意か偶然か、それは煙幕弾だった。

何かが路上に転がったと思ったら、路地裏は真っ白な煙で覆われ、視界が奪われた。

そして、なんとか隊員たちをまとめようと、必死で声を張り上げるアレンは、突然背後から斬り付けられたのだ。


当然すぐに応戦したが、最初の傷が思いの他深かった。
それに、回りにはMYの隊員たちがたくさんいる。

アレンは得意のマシンガンを封じられ、真っ白い視界と周囲の混乱の中、ナイフでの攻撃をなんとか警棒で防ぐ、という程度のことしかできなかった。




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