君に届くまで~夏空にかけた、夢~
ゾロゾロと大名行列のように登校してきた生徒たちの波をすいすい交わして、小動物が駆け寄って来る。
生徒たちがじろじろ見てくる。
「うわっ……ばかっ」
恥ずかしくて背を向けようとしたおれの背後に身を隠し盾にして、
「あっ! ぼくちんの天使……」
誉が顔を真っ赤に染めている。
「あほう! 何が天使だ! どけっ」
「冷たいな! 相棒!」
「るせ……どけって!」
まるでじゃれ合うようにわちゃわちゃしていると、
「おはよう! 修ちゃんっ!」
ついに花湖に捕まってしまった。
「ねえねえ、修ちゃん、修ちゃん!」
壁に突進するように飛び付いて来た花湖を受け止めながら、
「修ちゃんて言うな! でっかい声で言うな!」
「えっ、何で?」
「恥ずかしいから! まじで勘弁して……よ……」
言葉を飲み込んで、固まった。
もう一匹、小動物が……。
「もー! 花湖ちゃんてば! 待ってったら」
鞠子だったからだ。
き。
気まず。
はあはあ、息を弾ませて追いついた鞠子がおれと誉に、
「おはよ」
と微笑む。
「や、鞠子。昨日振りだなあ!」
誉はいつも通りに笑っている。
「おはよう、修司」
「お……おす」
一瞬、微妙な空気が流れ掛けたけれど、絶妙のタイミングでそれを破ってくれたのは、花湖だった。
「あのね、あのね、修ちゃん、あのね!」
と花湖がウロチョロウロチョロ、おれにまとわりつく。
「うわっ、何! まとわりつくなよ」
おれは慌てて花湖を剥がして歩きだした。
「もう! 修ちゃんてば!」
それでも花湖は懲りもせずに、ぴょん、とおれの前に躍り出る。
生徒たちがじろじろ見てくる。
「うわっ……ばかっ」
恥ずかしくて背を向けようとしたおれの背後に身を隠し盾にして、
「あっ! ぼくちんの天使……」
誉が顔を真っ赤に染めている。
「あほう! 何が天使だ! どけっ」
「冷たいな! 相棒!」
「るせ……どけって!」
まるでじゃれ合うようにわちゃわちゃしていると、
「おはよう! 修ちゃんっ!」
ついに花湖に捕まってしまった。
「ねえねえ、修ちゃん、修ちゃん!」
壁に突進するように飛び付いて来た花湖を受け止めながら、
「修ちゃんて言うな! でっかい声で言うな!」
「えっ、何で?」
「恥ずかしいから! まじで勘弁して……よ……」
言葉を飲み込んで、固まった。
もう一匹、小動物が……。
「もー! 花湖ちゃんてば! 待ってったら」
鞠子だったからだ。
き。
気まず。
はあはあ、息を弾ませて追いついた鞠子がおれと誉に、
「おはよ」
と微笑む。
「や、鞠子。昨日振りだなあ!」
誉はいつも通りに笑っている。
「おはよう、修司」
「お……おす」
一瞬、微妙な空気が流れ掛けたけれど、絶妙のタイミングでそれを破ってくれたのは、花湖だった。
「あのね、あのね、修ちゃん、あのね!」
と花湖がウロチョロウロチョロ、おれにまとわりつく。
「うわっ、何! まとわりつくなよ」
おれは慌てて花湖を剥がして歩きだした。
「もう! 修ちゃんてば!」
それでも花湖は懲りもせずに、ぴょん、とおれの前に躍り出る。