君に届くまで~夏空にかけた、夢~
大粒の目をキラキラに輝かせて、額にうっすらと汗を滲ませる花湖。
なんでかな。
本当にうざいんだけど、やっぱ、憎めないんだよな。
やっぱり根負けしたおれはついプーと吹きだし笑ってしまった。
「なんだよ、汗かいて。どうした」
「うん、あのね!」
フー、と呼吸を整えたあと、花湖が二カッと白い歯をこぼす。
「昨日ね、正雄じいちゃんとコープに買い物に行ったの」
「へー。じいちゃん元気?」
「うん! 元気元気!」
「あっ、それでねそれでねっ」
と花湖が鞄に細い手を突っ込んでゴソゴソかき回し始める。
「そしたら、ラピュタのガチャガチャがあったんだよ!」
「なにっ! ラピュタ!」
食いついたおれを見上げて、花湖がにたーっとだらしなく微笑んだ。
「へっへっへー」
「取った? 取ったのか?」
そして、花湖は「見て! ほら!」とついにそれを鞄から取り出した。
キラーン。
朝日を反射して輝いたのは、
「出た! パズー!」
まさにパズーの携帯ストラップだった。
「おおおお!」
屋根の上でラッパを吹くあの名シーンのパズーストラップに食いついたおれに、
「これ、修ちゃんにあげるね!」
と花湖が差し出してきた。
「いいのか! さんきゅー!」
「うん、いいよ。見て見て、花湖はね、ポムじいさんのストラップだよ!」
正雄じいちゃんみたいで可愛い! 、そう言って、花湖はすでに自分の携帯にぶら下がるストラップを揺らしてみせた。
「え……じいちゃん、髭ないんだけど……」
「でも似てるんだもん!」
「修司のおじいさん、ポムじいさんに似てるんだ?」
と、はしゃぐ花湖を見て鞠子がくすくす笑った。
そんな鞠子の横顔を見てほっとした。
なんでかな。
本当にうざいんだけど、やっぱ、憎めないんだよな。
やっぱり根負けしたおれはついプーと吹きだし笑ってしまった。
「なんだよ、汗かいて。どうした」
「うん、あのね!」
フー、と呼吸を整えたあと、花湖が二カッと白い歯をこぼす。
「昨日ね、正雄じいちゃんとコープに買い物に行ったの」
「へー。じいちゃん元気?」
「うん! 元気元気!」
「あっ、それでねそれでねっ」
と花湖が鞄に細い手を突っ込んでゴソゴソかき回し始める。
「そしたら、ラピュタのガチャガチャがあったんだよ!」
「なにっ! ラピュタ!」
食いついたおれを見上げて、花湖がにたーっとだらしなく微笑んだ。
「へっへっへー」
「取った? 取ったのか?」
そして、花湖は「見て! ほら!」とついにそれを鞄から取り出した。
キラーン。
朝日を反射して輝いたのは、
「出た! パズー!」
まさにパズーの携帯ストラップだった。
「おおおお!」
屋根の上でラッパを吹くあの名シーンのパズーストラップに食いついたおれに、
「これ、修ちゃんにあげるね!」
と花湖が差し出してきた。
「いいのか! さんきゅー!」
「うん、いいよ。見て見て、花湖はね、ポムじいさんのストラップだよ!」
正雄じいちゃんみたいで可愛い! 、そう言って、花湖はすでに自分の携帯にぶら下がるストラップを揺らしてみせた。
「え……じいちゃん、髭ないんだけど……」
「でも似てるんだもん!」
「修司のおじいさん、ポムじいさんに似てるんだ?」
と、はしゃぐ花湖を見て鞠子がくすくす笑った。
そんな鞠子の横顔を見てほっとした。