相手にされない王子様
「私は明太子ですよ?
急にどうしたんですか?」
切り替え早いのな…
もう元に戻りやがった。
ムードも何もあったもんじゃねー
「良いんだよ。これからは名前で呼んでやる」
「私は明太子と呼ばれた方が嬉しいのですが…?」
コイツってもしかしてこの名前が嫌みだと気づいてないのか!?
……有川なら有り得るよな…
「――…このあだ名、スバちゃんのおかげで好きになれたんですよ」
「!」
「ふふっ…名前の意味は知ってます。
だけどそんなことで負けるのは悔しいので、どんな嫌がらせを受けても平然としてやろうと思ってたんです」
珍しく有川が自分のことを話している。