相手にされない王子様
今度は有川の唇に軽くキスをした。
濃厚なのやっても良かったけど……あんまりやると嫌われるだろ?
「……有川」
その代わり有川をぎゅっと抱きしめることにした。
「俺のこと名前で呼ばねーの?」
…まぁ、この状態で呼ばれたらまたキスとかしちゃいそうなんだけどな。
「む、無理です!!」
有川とは思えない動揺っぷりだった。
つか、耳痛い…
こんな至近距離で騒ぐなよ…
耳がキンキンしたじゃねーか。
身体もついでに離れちまったし。