相手にされない王子様


「あのー…」




ケータイをいそいそといじっているハジメを放置してブラブラ校舎を歩いていると、声をかけられた。




「はい、何ですか?」




どこかで見たことある気がするが…どこだったか?
あー全然思い出せねー




「長山さんと別れたんですよね?」




今日、振られた女の名前だ。




「失礼ですがお名前は?」




「あ……私、神楽君とお隣のクラスの野田彩愛(アヤメ)です」




へぇー…知らねー




「良い名前だな」




意図もなく軽い感じで俺がそう言うと女の顔が赤くなった。
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