相手にされない王子様


「とりあえず保健室行くからな」




俺は腕を引っ張り強制連行した。


今の有川の格好は水で濡れ、腕には切り傷があった。ツーっと血も流れている。




「私は平気です。そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」




だから何でコイツはこんなに……




「なぁ」




「何ですか?」




俺は前を向いたまま有川に話しかける。


…何だか照れくさかったからだ。
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