April fool
☆報告☆
……ピピピピピピピピガタンッ
静かな部屋に響くアラームの音
無意識に手を伸ばして音を止めた
まだ5時30分
「…っはふぁあ~」、大きい欠伸が出る
まるで体が眠いって訴えてるみたい。
でも今日は朝練だから…。
もう起きなきゃ間に合わなくなっちゃう。
ジャージに着替えて
顔を洗って鏡を覗くと
少し浮腫んだ顔と
漆黒で胸の下あたりまで伸びた髪が映った
いつからこんな長くなったんだろ。
入学したときは
縛るのが大変なくらい短かったのに。
鏡をみながらツインテールに結ぶ
耳の上の少し前にするのがいつもの定位置
準備が終わって
朝食を食べてたら
弟の宏太が二階から降りて来た
「姉ちゃんもう起きて…ふぁあ…たんだ?」
欠伸をしながら目をこすっていて
とても眠そう。
「うん。今日は朝練あるからさ。」
「中学生は大変だね。俺なんか今起きたのに。」
「今さら気づいたの~?それに宏太も他人事じゃ無くなるよ。来年からは夢優花より速いよ~。サッカー部に入るんでしょ。」
食べ終わって
食器を洗いながら話す
「今んとこそのつもり。」
「大変だね~。うひひ。」
「姉ちゃん顔きもい。」
「知ってるもん。べぇ~だ。じゃお母さんもう行くね~!!」
「もう行くんだ?早いね。行ってらっしゃい。」
「行ってらっしゃい。」
「行ってきま~すっ!!」
勢いよく家を出る
宏太がお母さんに何か言う声が聞こえた気がした。