砂漠の水車



「でも僕は君の傍にいますよ」



「なにそれうざい」



「なにこの子酷い……」



「………無理なんてする必要ない」



性に合わないことを強要されるのがどれだけ辛いか…。


放っておいてくれればいいものを。




「それが僕の贖罪ですから…」



「ふん」




砂漠はずっと通り過ぎる。


蜃気楼さえも見えているが、もうじき日が暮れてしまうだろう。



誰だ、二キロなんて生ぬるいことを言ったのは。




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