アカイトリ
内心、そうされるのはそんなに嫌でなはなかった。
だから天花は余計に動揺していた。
胸に碧との契りの証があるこの男――
今この身を抱こうとわたしを押し倒している。
その肌は熱かった。
天花は人間の男に触れたのはもちろん、話したのもはじめてだったのだ。
男の身体に触れると、かすかに頬が上気していた。
…どういう意味だろう?
「むやみやたらと男の肌に触れるものではないぞ」
熱い吐息と共に、浴衣に手を入れられる。
「…っ、や、やめ……っ」
颯太の手は止まらない。
そして暗い部屋に、二人の熱い吐息が重なる――。
「わた、しは…っ、鳥、だ、ぞ・…っ」
思わず上がる声に、さらに脳髄が溶ける。
唇を重ねられ、舌を絡められた。
だが、意外にも優しいその動きに、身体から完全に力が抜けてしまう。
「俺のものになれ」
同じく息が乱れている颯太は、天花の手を取って、刻印の部分へと導く。
「つがいになれ…俺と…」
「い、やだ…っ!はな、せ…っ」
競り上がってくる快感の波に天花は全力で抗った。
と同時に、颯太の胸に導かれた手が意志とは裏腹に颯太に触れてしまう。
「天、花……」
艶っぽい颯太の表情に、さらに天花は内心悲鳴を上げた。
碧よ…
わたしは、人とはつがいにはならないぞ…!
――それが碧からの天啓であるかのように、二人は重なり合う。
「天花…、お前が、欲しい…」
駄目だ!
動け…
動け…!
わなわなと快感に震える手に力を込めると、音も高らかに颯太の頬を打った。
「わたしは鳥だ!本来人ごときが触れていい存在じゃない…!」
颯太の手から逃れ、天花は部屋から逃げ出した。
残された颯太は深く深いため息をついて、布団に倒れ込んだ。
だから天花は余計に動揺していた。
胸に碧との契りの証があるこの男――
今この身を抱こうとわたしを押し倒している。
その肌は熱かった。
天花は人間の男に触れたのはもちろん、話したのもはじめてだったのだ。
男の身体に触れると、かすかに頬が上気していた。
…どういう意味だろう?
「むやみやたらと男の肌に触れるものではないぞ」
熱い吐息と共に、浴衣に手を入れられる。
「…っ、や、やめ……っ」
颯太の手は止まらない。
そして暗い部屋に、二人の熱い吐息が重なる――。
「わた、しは…っ、鳥、だ、ぞ・…っ」
思わず上がる声に、さらに脳髄が溶ける。
唇を重ねられ、舌を絡められた。
だが、意外にも優しいその動きに、身体から完全に力が抜けてしまう。
「俺のものになれ」
同じく息が乱れている颯太は、天花の手を取って、刻印の部分へと導く。
「つがいになれ…俺と…」
「い、やだ…っ!はな、せ…っ」
競り上がってくる快感の波に天花は全力で抗った。
と同時に、颯太の胸に導かれた手が意志とは裏腹に颯太に触れてしまう。
「天、花……」
艶っぽい颯太の表情に、さらに天花は内心悲鳴を上げた。
碧よ…
わたしは、人とはつがいにはならないぞ…!
――それが碧からの天啓であるかのように、二人は重なり合う。
「天花…、お前が、欲しい…」
駄目だ!
動け…
動け…!
わなわなと快感に震える手に力を込めると、音も高らかに颯太の頬を打った。
「わたしは鳥だ!本来人ごときが触れていい存在じゃない…!」
颯太の手から逃れ、天花は部屋から逃げ出した。
残された颯太は深く深いため息をついて、布団に倒れ込んだ。