悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Izumi~
――――結婚してもう少しで丸一年。
初夏に結婚式を、秋に新婚旅行を済ませ、この頃ようやく落ち着いてきたところだ。
灯里は買い物カゴを手に取り、メモを見た。
「牛モモ肉、海老、レタス……」
灯里はメモに書かれているものを一つずつカゴに入れていった。
ちなみにメモは玲士が書いたものだ。
どうやら明日は数種類の料理を作るらしい。
灯里は昨日の夜の玲士との会話を思い出した。
『今週末、おれの親戚が遊びに来るから』
『……へっ?』
『おれの母方の叔母と、その子供。桜羽市からはるばる来るから、歓待してあげないとね?』
言いながら、玲士はふふっと笑う。
なんだかその笑顔に只ならぬ何かを感じたのは気のせいだろうか・
しかし玲士の親戚が遊びに来るとは珍しい。
灯里は首を傾げた。