悪魔のようなアナタ(番外) ~with.Izumi~




「夫婦は互いに貞操を守る義務がある。それはお前も知っているね?」

「そ、そりゃ知ってるけど……」


というかなぜ玲士が突然こんなことを言いだしたのかわからない。

目を白黒させる灯里を、玲士はじっと見つめながら言う。


「相手が女だったら許されるってわけじゃない。同性異性問わず、浮気は罪だ」

「は、はあっ!?」


灯里はぴしっと固まった。

浮気……って……。


唖然とする灯里に、玲士は目を細めてうっすらと笑った。


「念のため、もう一度教えておこうか。……お前の夫が誰なのかを、ね」


言い、玲士はソファーに灯里の背を押し倒した。

凄みすら感じる艶やかな瞳に、灯里は思わず息を飲んだ。


――――霊長類ヒト科最恐。


和泉の言葉がなぜか頭をよぎる。

灯里は息を飲んだ。


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