幼馴染みをやめる時

「いいよ。平気だよ」




これ以上近づいたら、何を口走ってしまうかわからないから。




彼は、差し出したタオルを奪って、もう一度私の頭から被せる。
そして、ガシガシと乱暴に頭を吹き始めた。





「俺が、平気じゃないの」


「えっ?」


「お前、女って自覚しろよ」


「…っ!」






急に両手首を掴まれ、気付いた時にはズイッと壁際まで押しやられていた。





「あのさ、濡れたYシャツで透けてる肌見せて、誘ってるの?」








とても低いけど、熱を帯びた彼の声に動けない。

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