『コンビニに行こう!』
それから何も話さなかった純さん…



一番見られたくなかった人にあんな姿を見られてしまった…


そんな恥ずかしさと、ショックとで…

私も何も言えなかった…






沈黙を破ったのは純さんだった。



『…ったく…孝太のやつ…ハルちゃん泣かせやがって…許せねぇ…』


下唇を噛む純さんに、


『違うんです…コウさんが悪いんじゃない…私が悪いんです…』


純さんは私のこの言葉でこれ以上、コウさんとのことには触れなかった…




『ハルちゃん?』


『はい…。』


『…このハンカチ…覚えてる?』


そう言われて純さんの手にあるハンカチを見た…



『あっ…私も同じの持ってます…』


『違うよ…これ、ハルちゃんのだよ…』

フッと笑う純さん…


『えっ…………、あっ!』

…思い出した…。

私達の初めてのバイト日…純さんに怪我をさせてしまって純さんの血を拭ったハンカチ…


純さんに渡したままだった…


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