『コンビニに行こう!』
…良いこと?…なんだろう…。
でも…
これから私にとって辛い…キツいことが待っているなんて…
私は気付きもせずに、拓さんのいう“良いこと”に胸を高鳴らせていた。
バイトが終わるまであと30分…
拓さんとレジのお金を計算していた。
店のドアが開く…
『いらっしゃいませ…』
大きな声で言う私に対して、いつも私より先に言う拓さんが何も言わない…
そればかりか、手を止めて固まってる。
そしてポツリ…
『…江美ちゃん…。』
私は拓さんを見上げ、そしてその“江美さん”を見た。
江美さんは拓さんを見つけると、ヒールを鳴らしつかつかとやって来た。
江美さんは今時の…大人っぽい感じで…私とは正反対の…きれいで…モデルさんを思わせるような…素敵な人だった。