龍奇譚-彼女の秘密-





顔を上げた先に居たのは、

何を考えているのかよく分からない表情を浮かべている龍宮 司だった。



何故、龍宮が来たんだ……?



龍宮の視線は俺の横で弁当にがっついている凌を指している。



凌はそんな視線には気付く事もなく、

次々と飯を口の中に運んでいく。





(………こいつは……)





凌は集中すると周りの様子が見えなくなる癖がある。


飯を食うのに集中するってのはどうかと思うが……





幸せそうに飯を食べ続ける凌に少しばかりの苛立ちを覚えた俺は、

右手で拳を作りそれを凌の脳天めがけて思いっきり振り下ろした。





< 106 / 665 >

この作品をシェア

pagetop